フルマラソンに挑戦するランナーにとって、距離走は欠かせない練習のひとつです。
しかし「夏の暑さで3時間も走れない」「長い距離を走っても後半に失速してしまう」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そんなときにおすすめなのが、「レースの時間に合わせた距離走」と「山でのトレーニング」です。今回は、暑い季節でも効率よく走力を伸ばし、フルマラソン後半に強くなるための練習方法を紹介します。
距離走は「時間」で考える
距離走には大きく分けて「レースのペースに近づけて走る方法」と「レースの時間に合わせて走る方法」があります。ここでおすすめしたいのは後者。
フルマラソンでは、後半に入るとこれまでに経験したことのない時間まで走り続けることになり、着地衝撃に脚が耐えられず失速してしまうことが多いです。一歩ごとの衝撃は体重やスピードで変わりますが、距離を重ねるほどに蓄積し、脚を限界に追い込みます。
オーバーペースでなければ、勝負を分けるのはこの「着地衝撃に対する耐性」です。そこで有効なのが、レース時間やそれ以上の時間を走るトレーニングです。
目安はレースタイムの100〜120%程度。ただし3時間を超えると回復に時間がかかり、練習効果よりダメージが大きくなるため、上限は3時間以内にしておきましょう。
ペース設定の目安
「ロングジョグ」といっても、あまりに遅いペースでは着地衝撃が弱すぎて練習効果が薄くなります。目安はマラソンペースの65〜70%。この強度で走ることで、脚をしっかり鍛えることができます。
ただし、真夏にこのペースで3時間走るのは現実的に難しいですよね。そこでおすすめなのが、山トレーニング(トレイルランニング) です。
山トレーニングの効果
山の中は木陰が多く、ロードに比べて涼しく走ることができます。さらに未舗装の地面では、姿勢を保つために脚の細かい筋肉が使われ、接地時のブレを抑える力がつきます。その結果、フルマラソン後半まで脚が持つようになります。
また坂道や階段を走ると、太ももを引き上げる筋肉が鍛えられ、接地時間が短縮。ランニングエコノミー改善にもつながります。実際、私自身も山を走るようになってから一気にタイムが伸びました。走るペースは遅くても、効果は絶大です。

山の未舗装路は走っていてとても気持ち良い
注意点も忘れずに
山を走る際には注意点もあります。
捻挫のリスク:不整地なので足元に集中することが必要です。
膝への負担:特に下り坂はダメージが大きいので無理にスピードを出さないようにしましょう。
最初はすべて走りきれなくても構いません。続けるうちに少しずつ走れる範囲が広がっていきます。
まとめ
毎週山を走るのはダメージが大きいため、ロードのロング走と交互に取り入れるのがおすすめです。暑い夏の間に山で脚を鍛えておくと、秋以降に劇的に走れるようになるかもしれません。

山の上からの景色は最高
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