「夏に走れない…」は当たり前!暑さに負けない賢いランニング戦略とは?

トレーニング理論

これまで順調に走れていた方も、気温の上昇とともに「急に走れなくなった」と感じていませんか?いつものペースで走れないと、「調子が悪いのかも」「実力が落ちたのでは」と不安になるかもしれませんが、心配はいりません。

本記事では、夏にパフォーマンスが落ちる理由を科学的に解説しながら、目的別の練習方法の工夫や、この時期にやるべき走行距離の積み上げ方について詳しく紹介します。

さらに、熱中症を避けるための効果的な時間帯の選び方や、秋に向けて着実に力を伸ばすための考え方も解説。

暑さに左右されない、賢い夏のランニング戦略を知りたい方におすすめの内容です。

夏にパフォーマンスが落ちる理由

気温が上がると、身体は体温の上昇を抑えるため、皮膚表面への血流を増やします。その結果、筋肉や内臓への血流が減少し、心拍数は上がりやすくなり、同じペースでも負荷が高く感じられるようになります。

特に長距離走ではこの影響が顕著になり、暑い時期のロング走は、気温に合わせた調整が欠かせません。

実際、気温30℃・湿度60%の条件では、マラソンパフォーマンスが約5%低下するというデータもあります。これは1kmあたり10秒程度遅くなる計算です。

そのため、トレーニングにおいても、距離走や閾値走では普段より10秒/km程度ペースを落として走っても問題はないと思います。

トレーニングの工夫:目的に応じてアプローチを変える

夏場のトレーニングでは、目的に合わせてトレーニング内容を工夫することが重要です。

  • 脚力の強化をしたい場合:
     → 冬よりもペースを落として、長めの距離を走る。

  • 心肺機能を鍛えたい場合:
     → ペースは維持しつつ、距離を分割して行う(例:3km×3本など)。
     → 心拍数を意識し、ゾーンを管理しながら取り組むのが効果的。

また、短い距離のインターバルトレーニングは、筋温が上がりやすくスピードが出しやすい夏に適した練習です。110%RP(レースペース)程度のスピード練習を取り入れることで、レースペースに対する動きの余裕を作ることができます。

夏は「走行距離アップ」の仕込みどき!

練習ペースは暑さに合わせて調整すべきですが、夏は秋冬のマラソンに向けた“土台作り”の時期でもあります。

10月下旬から始まる大会を見据えて、7月頃からは走行距離にも意識を向けていきましょう。

ペースは落としても構いません。その分、走行距離を増やすことがポイントです。
理想は8月末までに月間500〜600kmを走れる状態になることですが、いきなり距離を増やすとケガのリスクが高まります。

たとえば、300km → 350km → 400km → … と段階的に増やしていく意識を持ちましょう。
“継続できる距離”を積み上げていくことが、秋の成長に繋がります。

練習時間帯も見直してみよう

気温の高い日中のランニングはリスクが高く危険です。なるべく早朝や夜間など、涼しい時間帯に練習しましょう。

特に夏は日の出も早いため、早朝練習の習慣化に最適な季節です。休日も朝練を済ませれば、1日をより有意義に使うことができますよ。

夏は「地道な積み重ねがカギ」。焦らず継続しよう!

暑い時期は思うようなタイムが出ないもの。でも、それは実力が落ちたわけではありません。無理をしていつも通りの練習を続けるよりも、今できる最善の方法で地道に積み上げていくことが秋以降の成長につながります。

焦らず、自分の体と相談しながら、継続第一で練習を続けていきましょう。

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