はじめに:なぜ距離だけでは限界が来るのか?
「練習は積んでいるのに、思ったように記録が伸びない…」
そんな経験はありませんか?
フルマラソンといえば走行距離を積み重ねることが最も重視されがちです。もちろん持久力を高めるためには長い距離走が欠かせません。
しかし、距離走だけに偏ってしまうと記録が頭打ちになることがあります。その大きな原因のひとつが「スピード不足」です。
目標とするマラソンペース(MP)に対して余裕度が低いと、42kmをそのペースで走り続けるのは難しくなります。
スピードが足りないとどうなる?
フルマラソンは「目標ペースに対する余裕度」が重要になります。
例えば、5kmを20分(4’00/km)で走れる人がフルマラソンでサブ3(4’15/km前後)を狙うのは、余裕度が低く非常に厳しい挑戦です。
一方、5kmで18分30秒(3’42/km)、10kmで38分40秒(3’52/km)、ハーフマラソンで1時間24分(4’00/km)の走力を備えていくと、サブ3が現実的になります。
つまり、スピードを鍛えることがフルマラソンの記録向上のカギになるのです。
サブ4・サブ3.5を狙うためのスピード練習
サブ3.5を目指す場合(平均ペース:4’58/km)
サブ3.5を目指す場合、レースペース(MP)は1kmあたり約5分になります。
このペースで余裕を持つためには、MPの110%=4’30/kmでの練習が効果的です。このペースでの600~1000mインターバルを取り入れてみましょう。
こうしたメニューを週1〜2回、4〜6週間続けることで「5分/kmのペース感覚」に余裕が生まれます。
サブ4(平均ペース:5’40/km)
サブ4を狙う場合は、レースペースは1kmあたり5分40秒。その場合、練習では1kmあたり5分前後のスピード走で実施しましょう。
インターバルに取り組む際の注意点はこちらの記事を参考にしてください。
練習のステップアップ方法
レースから離れた時期には、上記のような110%MPでのスピード練習がおすすめです。
その後はペースを少し落として、105%MPで2000〜3000mのロングインターバルを取り入れます。サブ3.5なら4’45/km、サブ4なら5分20秒が目安です。これにより「速いペースを持続する力」が養われます。
目標 | MP | MP110%(短いインターバル) | MP105%(ロングインターバル) |
---|---|---|---|
サブ3.5 | 5:00/km | 4:30/km × 600〜1000m | 4:45/km × 2000〜3000m |
サブ4 | 5:40/km | 5:00/km × 600〜1000m | 5:20/km × 2000〜3000m |
週1〜2回、4〜6週間取り入れることで「レースペースに余裕を持つ走力」が身につきます。
スピードと距離を両立させる
フルマラソンの練習は「短く速い練習」と「長くゆっくりの練習」の両方が必要です。
短く速い練習 → スピード強化(インターバル・ロングインターバル)
長くゆっくりの練習 → 持久力強化(20〜30kmの距離走)
この両立ができると、マラソン全体の走力が底上げされます。
まとめ
距離だけでなく「スピード練習」が記録向上のカギ
MPの110% → 600〜1000mインターバル
MPの105% → 2000〜3000mロングインターバル
並行して20〜30kmの距離走も取り入れる
まずは週1回、600〜1000mのインターバルを「こなせるペース」で始めてみましょう。慣れてきたらロングインターバルや距離走を組み合わせ、強弱をつけたトレーニングを重ねることで、サブ4・サブ3.5、さらにはサブ3がぐっと近づいてきます。
次の一歩として…
トレーニングを継続するためには「質の高い練習」と同じくらい「適切なリカバリー」も大切です。練習と回復をバランスよく組み合わせることが、マラソンで結果を出すための最短ルートになります。
なお、「これからランニングを始める段階」の方は、まずは基礎を作ることが大切です。初心者向けのトレーニング方法はこちらの記事をご覧ください。
👉 初心者向けマラソントレーニングの始め方
コメント