LSDの重要性とフォーム改善 ― マラソン後半に失速しないための土台づくり ―

トレーニング理論

フルマラソンの30km以降、ガクンとペースが落ちてしまう。
疲れてくるとランニングフォームが維持できない。

こうした悩みを抱えるランナーは少なくありません。
その解決に向けたトレーニング初期や、マラソンに向けた土台づくりとして最適なのが「LSD(Long Slow Distance)」です。

今回は、単にゆっくり走るだけではない、フォーム改善」を目的としたLSDの実践方法について解説します。

LSDで得られる3つの効果

LSDとは、文字通り「長く・ゆっくり・距離を走る」トレーニングです。これにより主に以下の効果が期待できます。

  • 脂肪燃焼効率の向上

  • 脚部の毛細血管の発達

  • 持久的な筋持久力の強化

  • 長時間走ることへの順応

まさに「マラソンを走り切る身体」を作るための基礎工事と言えます。

LSDのペース設定について

では、どのくらいのペースで走るとよいのでしょうか。

私自身が実施する際は、6分00秒〜6分30秒/kmを目安にしています。
走っているうちに自然とペースが上がってくることもありますが、6分00秒/kmより速くならないよう意識して調整しています。

目安としては、
普段のジョグより1kmあたり1分30秒〜2分程度遅いペースで問題ありません。

LSDに「決まったペース」はありません。
とにかく“ゆっくり長く走り続けること”が最も重要です。

実施時間と頻度

時間は120〜150分
頻度は週に1回程度で十分でしょう。

学生時代には週3回ほど行っていた時期もありましたが、
社会人ランナーにとって、毎週複数回の長時間走は現実的ではありません。

週末など、時間に余裕のある日に実施することをおすすめします。

LSDで最も重要なのは「フォーム」

LSDで特に注意すべき点はフォームです。

足運びは普段の練習やレースとはペースがことなるため、ここで意識することは、腰から上のフォームになります。

ゆっくり走ると、どうしても腰が落ちやすくなります。120分もの間、腰の落ちたフォームで走り続けると、
その癖がつき、普段のランニングにも悪影響を及ぼしかねません。

必ず「腰高で、安定したフォーム」を意識しましょう。

また、普段あまりフォームを意識できていない方にとっては、
LSDはフォーム改善の絶好の機会でもあります。

頭の上から紐で引っ張られているようなイメージをもち、背筋を伸ばした姿勢を心掛けてみましょう。

120分間、意識的にフォームを保って走ることができれば、
その感覚は通常の練習にも確実に反映されていきます。

腰高フォームと重心移動の意識づけ

腰高なフォームと同時に、重心移動も意識してみましょう。

走り出す前に、両手を上に伸ばして大きく背伸びをします。
そのときの腰の高さを基準に、頭から腰までを一直線に保ちます

そこから、身体全体をゆっくりと前方へ傾けてみてください。
このままだと転びそうになる瞬間に、自然と脚が前に出る感覚が生まれます。

その感覚を繰り返しながら走ることで、
重心をスムーズに前へ運ぶ感覚が身についていきます。

走っていると、フォームがもとに戻ってしまうので、定期的にフォームを確認し、整えるようにしましょう。

練習後のひと工夫

LSDの終盤や練習後には、
少し速い動きを入れて、股関節周りの可動域を広げる意識を持ちましょう。

LSDでは歩幅が小さくなり、チョコチョコとした走り方になってしまいます。レースでのダイナミックな動きを取り戻すために100mほどの快調走を取り入れるようにしましょう。

大きな動きを入れておくことで、翌日以降のコンディションも整いやすくなります。

LSDで得られる効果

このLSDトレーニングによって、
・身体全体の持久力向上
・基本的なフォームの習得

が期待できます。

また、筋肉へのダメージが比較的少ないため、
翌日の練習への影響も最小限に抑えられます。

前日に強度の高い練習を行った後でも、
抵抗なく実施できる点も大きなメリットです。

急がば回れ

LSDは、直接的にタイムを伸ばすトレーニングではありません
しかし、マラソンに必要な「土台となる能力」を育てるうえでは、非常に効果的な練習です。

急がば回れ。
じっくりと脚と身体を鍛えてみてはいかがでしょうか。

さらなるレベルアップのために

また、身体の持久力向上にはトレイルランニングも効果的です。
LSDと併用することで、より総合的な走力向上が期待できます。

詳しくは別の記事でとりあげます。
そちらも参考に、ぜひ取り入れてみてください。

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