これからランニングを始める人にも、すでにキャリアのある人にもおすすめできるトレーニングが「坂ダッシュ」です。
実際に、海外のトップ選手たちも坂ダッシュを取り入れ、アップダウンのあるコースで日常的に練習を行っています。
この記事では、坂ダッシュの具体的なメリットや、効果的な取り入れ方を分かりやすく紹介します。
この記事では以下のことが分かります
- 坂ダッシュのメリット(ケガ予防・筋力強化・フォーム改善など)
- 効果的なトレーニング方法と本数の目安
- どんな坂で行えば良いのか(傾斜の目安)
- 実施する際の注意点とポイント
坂ダッシュは、初心者からベテランまで幅広いランナーに効果的なトレーニングです。この記事を読めば、坂ダッシュを安全かつ効果的に取り入れる方法が分かります。
坂ダッシュの4つのメリット
坂ダッシュには多くのメリットがあります。以下に、代表的な4つのメリットを紹介します。
ケガのリスクを抑えてトレーニングができる
ランナーのケガの多くは、着地時の衝撃が原因です。坂道は傾斜があるため、着地時の衝撃が軽減され、平地よりもケガのリスクが下がります。
脚力強化と使われていない筋肉の活性化
一定のペースで走っていると、同じ筋繊維ばかりが使われ、他の筋肉に刺激が入りません。坂ダッシュのような全力走では、普段使わない速筋繊維にも刺激が入るため、筋力のバランスが整い、ランニングパフォーマンスの向上につながります。
特にレース終盤のスパートやペースアップ時には、この「眠っていた筋肉の動員力」が大きな武器になります。
ストライド改善とフォームのダイナミック化
坂道を全力で駆け上がることで、自然と太ももを高く引き上げる動きが身につきます。これにより股関節の可動域が広がり、大きなストライドでダイナミックなフォームが作れるようになります。
また、坂を駆け上がる際は腕振りも強調されるため、上半身と下半身の連動が改善され、スムーズで力強いフォームにつながります。
心肺機能の向上
坂ダッシュでは、短時間で心拍数が急上昇します。これにより心臓が1回の拍動で多くの血液を送り出せるようになり、持久力が向上します。継続することで、普段のジョギングやポイント練習が以前より楽に感じられるようになるでしょう。
坂ダッシュの取り組み方
基本的なトレーニング設定
坂ダッシュは様々な距離で行うことができますが、まずは10~12秒程度の短時間で実施しましょう。1本ずつの質が大切なので、インターバル(休憩)時間をしっかりと確保しましょう。
例:10秒坂ダッシュ × 6本(リカバリー2分)
※最初は4本程度から始めて、徐々に本数を増やすのがおすすめです。
実施のタイミング
ポイント練習(インターバル走やペース走)とは別日に、ジョギングの後に取り入れるのが最も効果的です。週に1〜2回、流しの代わりとして実施するのがよいでしょう。
最初は疲れが残るかもしれませんが、慣れてくると翌日も良い動きができるようになります。
坂の傾斜について
最大負荷をかけるためには、10~15%程度の急な坂が理想的です。
傾斜が急な坂は、筋力強化に効果があり、傾斜が緩やかになると、VO2Maxの強化につながっていきます
なかなか近くに理想的な傾斜の坂がないことの方が多いと思うので、可能な範囲で実施して問題ありません。継続することが大切です。
全力で短い距離、ペースを落として300m程度の長い距離という具合に使い分けて、目的とする刺激を身体に入れていきましょう。
坂ダッシュを行う際の注意点
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心拍数が大きく上がるトレーニングなので、慣れるまでは無理せず本数を抑えて始めましょう。
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リカバリー中はジョグではなく「歩き」で戻ることが大切です。坂の下りを走って戻ると、膝に大きな負担がかかり、ケガのリスクが高まります。また、次の1本に移る前に、心拍数をしっかり落ち着かせることもポイントです。
坂ダッシュで理想のフォームとキレのあるスパートを手に入れよう
坂ダッシュは、初心者からベテランランナーまで誰にとっても効果の高いトレーニングです。継続的に取り組めば、ランニングフォームの改善や終盤のキック力向上、心肺機能の強化など、多くの成果が得られます。
次のジョギング後から、ぜひ坂ダッシュを取り入れてみてください。小さな積み重ねが、将来のレースでの大きな違いにつながるはずです。
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